こんにちは、茅場町女性鍼灸院です。
2023年最後のツボ新聞は、指圧の師匠浪越徳治郎先生の名言「押せば命の泉湧く」で有名な「湧泉(ゆうせん)」です。
人体において最も底辺の足裏にありながら、脳髄の活性化の作用ももつ不思議なツボです。
本年の締めくくりに、どうぞみなさまでご覧ください。
【ツボの場所】
足の裏、土踏まずの真ん中
足の指でグーを作った時に凹みを感じるところ
指圧:湧泉を親指で押す、又はゴルフボールや青竹などを踏む方法も気持ちいいです。体重をかけすぎないように気を付けてください。
お灸:皮膚の厚みがあるツボなので、熱めのお灸でも大丈夫な方がほとんどです。
これから気温が下がっていく時期でもありますので、台座のお灸をお使いの場合はふつうの熱さ+Level1~2を目安にするか、いつものお灸を2〜3個続けて行うなどアレンジを楽しんでください。
【ブログ限定記事】
遠い未来には永遠の命が手に入ることもあるのかもしれませんが、現代では今ある身体を点検と修理を繰り返しながら使っていくことが現実的です。
東洋医学では精という概念があり、男女の精が結合することで新たな生命が誕生すると考えられています。
修理した身体をいかに長持ちさせるかは、精を維持できているかどうかがとても影響します。
精の作用は5つありますが、ひとつひとつはどれも身体機能の中心を担うものばかりです。
精の5大作用
1)生殖
2)滋養
3)血の生成
4)気の生成
5)神(シン)の維持
1)生殖
生殖機能のおいて精はかかせません。
精が虚することにより、成長不良・発育の低下・二次性徴の遅れ・不妊症・勃起不全などが起こると考えられます。
2)滋養
五臓六腑が円滑に機能するために、各器官の滋養を促します。
3)血の生成
必要に応じて精から血が作られます。また、飲食物からも血は作られます。
4)気の生成
必要に応じて精から気が作られます。気の運行や制御は生命活動においてもっとも重要なシステムです。
5)神の維持
神とは宗教的な崇拝ではなく、生命活動そのものや、自分自身の精神的なコントロールをしている司令部のような役割を言います。とくに脳=髄海は神の影響を受けるとされています。
精だけで大きな役割を任されるというよりは、異性の精が必要であったり、気血の素になったり、精神のバランサーとなったり、源となるような立ち位置です。
それ単体で食べれなくはないけれど何かとかけ合わせたほうがより生きる素材、それはまるで塩のようだなと思います。五行説でも、精=腎=骨=鹹(塩辛い)と関係性を説いてます。
精を充足させることが、故障しないようにすること、修理した身体を健康に維持することの基本となります。精の消耗をなるべく最小限にしながら、規則正しい生活を送ることが精を充足させる最もシンプルな方法です。
当院には鍼灸とマッサージメのご用意がありますが、マッサージよりも施術の「モチ」がいいとお声をいただくことは少なくありません。鍼灸コースでは、精が充足しているかどうか、気血が足りているかどうかに関してのアプローチがかかせませんので、そのようなことが影響しているのではないかと考えております。
ご参考にしていただければうれしいです。
今年も当院のツボ新聞をご覧いただきありがとうございました。ツボはからだの一番外側にありながら、からだの内側で起きている変化を伝えようと、日々ちがう反応を見せてくれる健康状態のバロメーターのようなものです。
「湧泉」は普段は目にすることもないような足裏にあるツボですが、歩いているときには常に地面に接している場所にあり、その経絡は喉元から顔面頭部にまで通じています。
地に足つけて、自分の頭で考えて、日々限界を更新し続ける、それこそが命の泉を湧かせるということなのかなと感じています。
みなさまも押せば命の泉湧く「湧泉」で、健康で活力に満ちた新年をお迎えください。
【次号予告】
次号は「新年特別号2023ツボランキング」です!
あなたの”推しツボ”はランクインされているでしょうか!お楽しみに☆