こんにちは、鍼灸師の犬塚志保です。
針の太さを例えるときに、「髪の毛ぐらいの太さ」というときがあります。
また、「注射針に比べるととても細い」という説明をすることがあります。
「太さ」が「痛み」に直結するかというと、必ずしもそうではなく、術者の技量や流派、受け手側の体調や精神状態によって変化すると思います。私の経験では、熱が旺盛な時や、生理中などは痛みを感じやすいことがありました。おそらく、体温や肌表面の状態が不安定になり、鍼の感覚に敏感になっていたのでしょう。
今回、鍼灸で使う鍼、注射針、縫い針、髪の毛がどれくらいの太さなのか、調べてみました。
みなさん、わかりますか?
① 0,08mm
② 0.16mm
③ 0.7mm
④ 0.8mm
※鍼灸の鍼は、新患さんに使うときの細めのもの
※注射針は採血で使用するときのもの
※髪の毛は、日本人の平均値
正解は
① 0,08mm → 髪の毛
② 0.16mm → 鍼灸
③ 0.7mm → 縫い針
④ 0.8mm → 採血用の注射針
鍼灸用の針は髪の毛の倍ありました。これは意外でした。私のように髪が太めな方で0.15mmらしいので、まあまあ個人差ありそうです。
そして、採血用の注射針に対して、鍼灸用の針は1/5です!!!
さすがに鍼灸のほうが細く感じます。
注射針はなかに液体が通るように、空洞になっているために痛みを感じやすいといわれています。インフルエンザなどの予防注射に使用するものは、0.45mmくらいでもう少し細いようです。それでも鍼灸用の約3倍です!
鍼の痛みが出るシチュエーションは2パターンあります。
1つ目は、鍼が毛穴に入ってしまい、刺した瞬間にチクッとする場合。縫い針を、誤って指に刺した時のような痛みです。この場合はすぐに抜いて刺しなおします。
2つ目は、筋膜を貫いたり、筋肉の硬いところに当たった時や、ツボに的中した時に、鈍い痛み、重い痛み、ズンとしたり、ビクッとなったりします。業界用語では、得気(とっき)や響きといい、コアな鍼灸ファンはこの独特の感覚が好きな方が多いです。
残念ながら、針は痛そう、痛いもの、という印象を持っている方がほとんどです。
少しでも安心して鍼灸治療を受けられるように、鍼灸で使う鍼がどれだけ細いものを使用しているのか、どういう痛みがでる可能性があるのか、皆さんに知っていただき、一人でも多くの方に、鍼灸、東洋医学を身近に感じてほしいです。
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